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第7次エネルギー基本計画をわかりやすく|2040年の電源構成と太陽光23〜29%の意味

更新日 2026/09/09 ・ 約8分で読めます ・ 執筆: エネホ編集部

この記事の結論

  • 第7次エネルギー基本計画は2025年2月18日に閣議決定されました。「GX2040ビジョン」「地球温暖化対策計画」と同じ日に、一体のものとして決まっています。
  • 2040年度の電源構成では、再生可能エネルギーが4〜5割程度、そのうち太陽光が23〜29%程度とされています。2023年度の太陽光は9.8%なので、およそ3倍を見込む数字です。
  • 計画は住宅の省エネ化を制度と支援の両面から進めるとしており、高性能な窓と給湯器が名指しで挙げられています。住宅向けの補助制度は、この方針の下にあります。

いつ、何が決まったのか

第7次エネルギー基本計画は、2025年2月18日に閣議決定されました。同じ日に「GX2040ビジョン」と「地球温暖化対策計画」も閣議決定されており、3つは一体のものとして扱われています。エネルギーの計画だけが単独で動いたわけではない、という点が読み方の前提になります。

検討は2024年5月に始まり、同年12月17日に原案が示され、パブリックコメントを経て閣議決定に至りました。2040年度の温室効果ガス73%削減という目標(2013年度比)と整合する形で作られています。

  • 2025年2月18日に閣議決定。GX2040ビジョン・地球温暖化対策計画と同日・一体
  • 2024年5月に検討開始 → 12月17日に原案 → パブリックコメント → 閣議決定
  • 2040年度の温室効果ガス73%削減(2013年度比)と整合する形で策定

出典: 経済産業省「第7次エネルギー基本計画が閣議決定されました」(2025年2月18日)出典: 資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の概要」(令和7年2月)

2040年度の電源構成 — 太陽光は9.8%から23〜29%程度へ

計画の中心にあるのが、2040年度のエネルギー需給の見通しです。2023年度(速報値)と並べると、どこを増やしどこを減らすつもりなのかが見えます。

再生可能エネルギー全体は22.9%から4〜5割程度へ、そのうち太陽光は9.8%から23〜29%程度へと、およそ3倍を見込んでいます。一方で火力は68.6%から3〜4割程度まで下げる想定です。発電電力量そのものも9,854億kWhから1.1〜1.2兆kWh程度へ増える見通しで、これはDXやGXの進展にともなう電力需要の増加を織り込んだものです。

  • エネルギー自給率: 15.2% → 3〜4割程度
  • 発電電力量: 9,854億kWh → 1.1〜1.2兆kWh程度
  • 再生可能エネルギー: 22.9% → 4〜5割程度(うち太陽光 9.8% → 23〜29%程度)
  • 原子力: 8.5% → 2割程度 / 火力: 68.6% → 3〜4割程度
注意点
  • これらの数値は単一の予測ではなく、複数のシナリオを用いた一定の幅として示されている(不確実性が前提になっている)
  • 参考値として、73%削減に至らないシナリオ(61%削減)も併記されている
  • 2023年度の値は速報値。温室効果ガス削減率だけは2022年度実績(22.9%)との比較

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出典: 資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の概要」(令和7年2月)

なぜこの方向になったのか

計画は再生可能エネルギーを「主力電源」として最大限導入する方針を明記しています。その背景として挙げられているのは、ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢の緊迫化といった経済安全保障の問題と、DX・GXの進展にともなう電力需要の増加です。

つまり「環境のために増やす」だけの話ではありません。輸入に頼る構造を細くしつつ、増える需要に応えるという2つの要請が重なった結果として、自給率を15.2%から3〜4割程度へ引き上げる絵が描かれています。

出典: 資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の概要」(令和7年2月)

住宅に効く部分 — 窓と給湯器が名指しされている

計画は住宅の省エネ化を「制度・支援の両面から推進」するとしており、そこで具体的に挙げられているのが高性能な窓と給湯器です。住宅向けの補助制度が続いているのは、この方針の下にあるためです。

住宅の太陽光については、2050年において設置が合理的な住宅・建築物には太陽光発電設備が設置されていることが一般的となることを目指す、とされています。そこへ至る途中の目標として、2030年に新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が設置されることを目指す、と示されています。

省エネ性能についても、2050年にストック平均でZEH・ZEB基準の水準を確保することを目指し、2030年度以降に新築される住宅・建築物はその水準を目指す、とされています。

注意点
  • 6割という目標は「新築戸建住宅」に対するもの。既存住宅を含む住宅全体の目標ではない

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出典: 資源エネルギー庁「冬季の省エネルギーの取組について」(令和7年10月31日)出典: 資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の概要」(令和7年2月)

蓄電池とペロブスカイト — 増やしたあとをどうするか

太陽光を3倍にすると、発電する時間と使う時間のずれが大きくなります。計画は次世代の電力ネットワークを作る柱として、蓄電池とDR(デマンドレスポンス)による調整力の確保を挙げています。発電設備を増やす話と、貯めて融通する話が同じ計画の中に並んでいる形です。

設置場所を広げる技術として、ペロブスカイト太陽電池には2040年までに20GWの導入目標が置かれています。

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出典: 資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の概要」(令和7年2月)

課題として挙げられていること

計画は増やす方向だけを書いているわけではありません。課題として「使用済太陽光パネルへの対応」と「事業規律の強化」が挙げられています。

設置が進めば、いずれ寿命を迎えた設備が出ます。また、これまでの導入拡大の過程で生じた事業運営上の問題に対して、規律を強める方向が示されています。導入を検討する側から見れば、施工や運用の質を問われる度合いが上がっていく、と読める部分です。

出典: 資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の概要」(令和7年2月)

この計画をどう読むか

数値は幅で示されており、単一の予測ではありません。73%削減に至らないシナリオも参考値として併記されています。断定された未来ではなく、複数の道筋を前提にした見通しとして扱うのが計画の趣旨に沿った読み方です。

そのうえで方向ははっきりしています。再生可能エネルギーを主力電源にし、住宅では省エネと太陽光を進め、蓄電池で調整する。個々の補助制度や買取価格は年度ごとに変わりますが、その上位にあるこの方向は数年単位で動きません。

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出典: 経済産業省「第7次エネルギー基本計画が閣議決定されました」(2025年2月18日)出典: 資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の概要」(令和7年2月)

記事内の用語がわからないときは用語集(やさしい言葉とたとえで解説)をご覧ください。

よくある質問

Q. 第7次エネルギー基本計画はいつ決まりましたか?
A. 2025年2月18日に閣議決定されました。同じ日に「GX2040ビジョン」と「地球温暖化対策計画」も閣議決定されており、3つは一体のものとして扱われています。2024年5月に検討が始まり、同年12月17日の原案提示とパブリックコメントを経ています。
Q. 2040年に太陽光は電源の何割になりますか?
A. 2040年度の見通しで23〜29%程度とされています。2023年度(速報値)の9.8%からおよそ3倍です。再生可能エネルギー全体では22.9%から4〜5割程度になる見通しです。ただしこれらは複数のシナリオを用いた幅として示されており、単一の予測ではありません。
Q. 住宅に太陽光を載せることは義務になりますか?
A. この計画に書かれているのは目標であって、義務ではありません。2050年において設置が合理的な住宅・建築物には設置されていることが一般的となることを目指し、その途中の目標として2030年に新築戸建住宅の6割に設置されることを目指す、とされています。
Q. なぜ窓や給湯器の補助金があるのですか?
A. 計画が住宅の省エネ化を制度・支援の両面から推進するとしており、そこで高性能な窓と給湯器が具体的に挙げられているためです。個々の補助制度は年度ごとに設計されますが、その上位方針がこの計画にあたります。
Q. 計画の数値はどのくらい確かなものですか?
A. 幅として示されています。複数のシナリオを用いた見通しで、73%削減に至らないシナリオ(61%削減)も参考値として併記されています。不確実性を前提にした資料として読む必要があります。

この記事の出典(いずれも確認日つき)

執筆: エネホ編集部 ・ 更新日 2026/09/09

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