太陽光発電の仕組みと基本|発電の原理・パワコン・2026年度の売電価格
更新日 2026/08/16 ・ 約6分で読めます ・ 執筆: エネホ編集部
この記事の結論
- 太陽光発電は、太陽電池(半導体)が光を受けて電気をつくり、パワコンがその電気を家庭で使える形に変える仕組みです。
- つくった電気はまず自宅で使い(自家消費)、余った分を電力会社に売ります(余剰売電)。住宅用はこの「余り売り」が基本です。
- 2026年度に住宅用(10kW未満)で新しく始める場合、国の固定価格買取制度(FIT)の売電価格は最初の4年が24円/kWh、その後6年が8.3円/kWh、買取期間は10年です。
太陽光発電の仕組み — 光を電気に変える
太陽光発電は、光が当たると電気が発生する性質を持つ半導体を使い、太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)で直接電気に変える発電方法です(資源エネルギー庁)。燃料を燃やさず、パネルに光が当たるだけで発電します。
このとき太陽電池がつくる電気は「直流」です。一方で、家庭のコンセントを通じて使う電気は「交流」です。そのため、発電した直流を交流に変換してから家の中や送電線へ流す必要があります。
- エネルギー源は太陽光。燃料がいらず、パネルに光が当たれば発電する
- つくられる電気は直流。家庭で使う電気は交流なので、変換が必要
システムの構成 — パワコンが交流に変える
住宅用の太陽光発電システムは、屋根の「太陽電池モジュール(パネル)」と、「パワーコンディショナ(パワコン)」を中心に構成されます。
パワコンは、太陽電池モジュールがつくった直流を、家庭で使える交流に変換するインバータ機能を持つ機器です(国土交通省の標準仕様書での定義)。パネルが発電の入口、パワコンが「使える電気」への変換役、と考えると分かりやすくなります。
- 1パネルが発電する
屋根の太陽電池モジュールに光が当たり、直流の電気が生まれます。
- 2パワコンが変換する
直流を、家庭で使える交流に変換します(インバータ機能)。
- 3家で使う → 余りを売る
まず家庭内で使い(自家消費)、余った電気を電力会社へ送ります(余剰売電)。
自家消費と余剰売電 — まず使い、余りを売る
住宅用(10kW未満)は「余剰売電」が基本です。発電した電気をまず自宅で使い、余った分だけを電力会社に売ります。国の売電価格の算定でも、住宅用は自家消費30%・余剰70%(余剰売電比率70.0%)を想定しています。
電気料金が上がる局面では、売る価格だけでなく「買わずに済ませた電気(自家消費)」の価値も大きくなります。日中に電気を多く使う家ほど、自家消費のメリットを受けやすい構造です。
2026年度の売電価格(FIT) — 最初の4年は24円
国の固定価格買取制度(FIT)では、住宅用(10kW未満)を2026年度に新しく始める場合、売電価格は最初の4年が24円/kWh、その後の6年が8.3円/kWh、買取期間は10年です(資源エネルギー庁 調達価格等算定委員会)。導入初期を手厚くして、投資を回収するまでの期間を短くする狙いの価格設計です。
この2026年度の価格・期間は、2025年度下半期にも適用されます。なお認定事業者が課税事業者の場合、価格には消費税が加わります。制度は年度ごとに見直されるため、始める前に最新の価格を公式で確かめてください。
- ここでの価格は住宅用(10kW未満)の値。事業用(10kW以上)や地上設置は価格も買取期間も異なる
- 買取期間(10年)が終わった後の売電価格は、電力会社などとの相対契約で決まり、制度上の固定値はない
発電量の考え方 — kW と kWh は別もの
「kW(キロワット)」はパネルの容量(発電できる能力の大きさ)、「kWh(キロワットアワー)」は実際に発電した電気の量です。容量が大きくても、発電量は日射量・屋根の方位や角度・地域・天候で変わります。
国の想定では、住宅用の設備利用率は13.7%です。この想定値から単純に換算すると、容量1kWあたりの年間発電量はおおよそ1,200kWh程度が目安になります(あくまで想定値からの参考換算で、実際の値は条件で上下します)。
- kW=容量(能力)、kWh=実際に発電した量。混同しない
- 発電量は日射量・方位・角度・地域・天候で変わる。目安はあくまで目安
太陽光発電の強みと弱み
太陽光発電は、屋根や壁などの未利用のスペースに設置でき、新たに用地を用意する必要がありません。エネルギー源が太陽光のため設置できる地域の制限も少なく、家庭に導入しやすい発電方法です(資源エネルギー庁)。日本の導入量は2024年度末で7,985万kWに達し、中国・米国とともに世界をリードしています。
一方で、気候条件によって発電の出力が左右されるという弱みがあります。曇りや雨、夜間は発電が落ちるため、蓄電池と組み合わせて余った電気をためて使う方法もあります(蓄電池は別記事で解説します)。
- 発電量は天候・季節で変動する。年間を通した平均で考える
停電時の自立運転機能
住宅用の太陽光発電システムには、停電したときに発電した電気を使える「自立運転機能」があります(資源エネルギー庁が周知資料を掲載)。使える電力の上限や切り替えの手順は機種によって異なるため、お使いのシステムの取扱説明書やメーカー資料で確認してください。
記事内の用語がわからないときは用語集(やさしい言葉とたとえで解説)をご覧ください。
よくある質問
- Q. 曇りや雨の日でも発電しますか?
- A. 発電しますが、量は減ります。太陽光発電は気候条件によって発電の出力が左右されるため、晴れた日に比べて曇天・雨天は発電量が下がります。年間を通した平均で考えるのが基本です。
- Q. パワーコンディショナ(パワコン)は何をする機器ですか?
- A. 太陽電池がつくった直流の電気を、家庭で使える交流に変換する機器です。国土交通省の標準仕様書でも、パワコンは太陽電池モジュールからの直流を交流に変換するインバータ機能を持つ機器と定義されています。
- Q. 2026年度に始めると売電価格はいくらですか?
- A. 住宅用(10kW未満)を2026年度に新しく始める場合、国のFIT制度の売電価格は最初の4年が24円/kWh、その後6年が8.3円/kWh、買取期間は10年です。価格は年度ごとに見直されるため、始める前に公式で最新の値を確認してください。
- Q. 停電のときに電気は使えますか?
- A. 住宅用システムには停電時に発電した電気を使える「自立運転機能」があります。ただし使える電力の上限や操作手順は機種で異なるため、お使いのシステムの資料で確認してください。
この記事の出典(いずれも確認日つき)
- 出典: 資源エネルギー庁 なっとく!再生可能エネルギー(太陽光発電)
- 出典: 資源エネルギー庁 特集「再エネと安定供給」
- 出典: 国土交通省 太陽光発電装置(標準型)標準仕様書
- 出典: 資源エネルギー庁 調達価格等算定委員会(第102回)別紙
執筆: エネホ編集部 ・ 更新日 2026/08/16
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