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FIT制度と売電価格【2026年度】|住宅用は24円→8.3円、買取期間10年の中身

更新日 2026/09/08 ・ 約7分で読めます ・ 執筆: エネホ編集部

この記事の結論

  • 2026年度に住宅用(10kW未満)で新しく始める場合、売電価格は最初の4年が24円/kWh、5年目から10年目が8.3円/kWhです。買取期間は10年間で変わりません。
  • この二段階の価格は2025年10月に導入された「初期投資支援スキーム」によるもので、2026年度・2027年度とも継続することが決まっています。
  • 前半を厚くして投資回収を早め、後半は売る妙味を薄くする設計です。5年目以降は「売る」より「貯めて使う」ほうが家計に効きやすくなります。

FITとは — 国が価格を決めて買取を義務づける制度

FIT(固定価格買取制度)は、再生可能エネルギーでつくった電気を、国が定めた価格で電力会社が買い取ることを義務づける制度です。2012年に始まりました。

買取価格は毎年度改定されます。再エネ特措法にもとづき、年度が始まる前に調達価格等算定委員会の意見を尊重して経済産業大臣が設定する、という手順が法律で決まっています。つまり「相場」ではなく、毎年の告示で決まる価格です。

住宅用(10kW未満)は、買取期間10年間の余剰買取です。余剰買取とは、発電した電気をまず自宅で使い、余った分だけを売る形を指します。

  • 買取価格は毎年度、経済産業大臣が設定する(法律にもとづく手続き)
  • 住宅用(10kW未満)は10年間・余剰買取
  • 申請は電力会社への接続契約 → 経済産業省の設備認定、の2段階

出典: 経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(2026年3月19日)

2026年度の売電価格 — 最初の4年は24円、その後は8.3円

2026年度に新しく始める場合の価格は、区分によって次のように決まっています。住宅用と「屋根に載せる事業用」は、どちらも前半を厚くした二段階になっています。

この価格は2026年度・2027年度とも継続することが公表されています。年度をまたいで計画を立てる場合の見通しが立てやすい形です。

  • 住宅用(10kW未満): 最初の4年が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWh
  • 事業用・屋根設置(10kW以上): 最初の5年が19円/kWh、6〜20年目が8.3円/kWh
  • 2026年度・2027年度とも、この二段階のしくみを継続
注意点
  • これは新しく始める場合の価格。すでに認定を受けている設備は、認定時の価格が買取期間のあいだ続く
  • 認定事業者が課税事業者の場合、価格には消費税が加わる

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出典: 経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(2026年3月19日)

なぜ二段階なのか — 回収を早め、後半は自家消費へ促す設計

この二段階の価格は、2025年10月に導入された「初期投資支援スキーム」によるものです。屋根に載せる太陽光の導入を加速させるために、国民負担が増えない範囲で設計されました。

前半を厚くすれば、設置費用を回収し終えるまでの期間が短くなります。一方で後半の8.3円は、売って稼ぐには物足りない水準です。これは意図的な設計で、買取期間の後半は電気を売るのではなく、蓄電池などで貯めて自分で使うほうへ促す形になっています。

つまり同じ10年でも、前半と後半では「得をする使い方」が違います。設置の計画を立てるときは、10年分をならした平均ではなく、前半4年と後半6年を分けて考えるほうが実態に合います。

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出典: 経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(2026年3月19日)

事業用は屋根と地上で分かれた — 地上設置は2027年度以降が対象外

事業用のうち地上に設置するものは、価格が下がり続けています。2026年度は10kW以上50kW未満が9.9円/kWh、50kW以上(入札対象外)が9.6円/kWhです。250kW以上のFIP入札対象は年4回の入札で決まり、上限は9.6円です。屋根に設置する場合は入札が免除されます。

そして2027年度以降、事業用の地上設置はFIT・FIPの新規支援の対象になりません。制度の重心が「地上に並べて売る」から「屋根に載せて自分で使う」へ、はっきり移ったということです。

注意点
  • 地上設置がFIT/FIPの新規支援対象から外れるのは2027年度以降。すでに認定済みの設備の買取が止まるという意味ではない

出典: 経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(2026年3月19日)

再エネ賦課金 — 2026年度は4.18円/kWh

FITの買取原資は、電気を使う人全員が電気料金と一緒に負担しています。これが再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)です。

2026年度の単価は4.18円/kWhで、月400kWhを使う標準的な世帯なら月額1,672円、年額20,064円にあたります。適用されるのは2026年5月検針分から2027年4月検針分までです。

この負担は、電気を買う量が多いほど大きくなります。逆に言えば、発電した電気を自宅で使って買う量を減らすと、その分だけ賦課金の負担も減ります。売電価格だけでなく、この「買わずに済ませる効果」も合わせて考えるのが実際の家計への影響です。

出典: 経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(2026年3月19日)

10年が終わったあと(卒FIT)はどうなるか

住宅用の買取期間は10年です。10年が過ぎると、制度にもとづく固定価格での買取は終わります。設備が使えなくなるわけではなく、発電は続きます。

その後の売電先や条件は、小売電気事業者がそれぞれ独自に用意するメニューによります。事業者ごとに内容が大きく異なるため、このページでは具体的な金額を挙げません。買取期間の満了が近づいたら、契約先を含めて複数のメニューを実際に比較してください。

注意点
  • 卒FIT後の買取価格は制度で決まる固定値ではないため、公式の一覧のような形では存在しない。事業者ごとの公表メニューで確認する

出典: 経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(2026年3月19日)

記事内の用語がわからないときは用語集(やさしい言葉とたとえで解説)をご覧ください。

よくある質問

Q. 2026年度に太陽光を設置すると、売電価格はいくらですか?
A. 住宅用(10kW未満)を2026年度に新しく始める場合、最初の4年が24円/kWh、5年目から10年目が8.3円/kWhです。買取期間は10年間です。認定事業者が課税事業者の場合は、これに消費税が加わります。
Q. 売電価格は毎年変わりますか?
A. 新しく始める場合の価格は年度ごとに改定されます。再エネ特措法にもとづき、年度が始まる前に調達価格等算定委員会の意見を尊重して経済産業大臣が設定します。ただし、いったん認定を受けた設備は、その時の価格が買取期間のあいだ適用されます。
Q. FITはいつまで続きますか?
A. 制度の終了時期は決まっていませんが、対象は絞り込まれています。2027年度以降、事業用の地上設置はFIT・FIPの新規支援の対象になりません。住宅用と屋根設置については、2026年度・2027年度とも二段階価格のしくみを継続することが公表されています。
Q. 再エネ賦課金は月にいくら払っていますか?
A. 2026年度の単価は4.18円/kWhです。月400kWhを使う標準的な世帯で月額1,672円、年額20,064円にあたります。適用期間は2026年5月検針分から2027年4月検針分までです。
Q. 後半の8.3円は安すぎませんか?
A. 前半を厚くして投資回収を早める代わりに、後半を抑える設計になっています。5年目以降は電気を売る収入が下がるため、蓄電池などで発電した電気を貯めて自宅で使い、電気を買う量を減らすほうが家計に効きやすくなります。

この記事の出典(いずれも確認日つき)

執筆: エネホ編集部 ・ 更新日 2026/09/08

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