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太陽光の売電価格の推移|42円から9円台へ、投資ブームが終わるまで

更新日 2026/09/08 ・ 約8分で読めます ・ 執筆: エネホ編集部

この記事の結論

  • 住宅用(10kW未満)の売電価格は、2012年度の42円/kWhから2025年度上半期の15円/kWhまで、およそ3分の1に下がりました。買取期間は一貫して10年です。
  • 2025年10月に初期投資支援スキームが入り、前半4年だけ24円/kWhに戻りました。ただし10年を通した合計で見れば、以前より低い水準です。
  • 事業用の地上設置は2027年度以降、FIT・FIPの新規支援の対象になりません。国は「地上に並べて売る」モデルを制度として終わらせ、「屋根に載せて自分で使う」ほうに支援を集めました。

住宅用の売電価格は14年で3分の1になった

FITが始まった2012年度、住宅用(10kW未満)の調達価格は42円/kWhでした。そこから毎年のように下がり続けます。2019年度に24円、2022年度に17円、2025年度の上半期には15円まで落ちました。

2025年10月に初期投資支援スキームが導入され、価格の形が変わります。それまでの「10年間ずっと同じ単価」から、前半4年が24円/kWh、5年目以降が8.3円/kWhという二段階になりました。2026年度も同じ形です。

24円という数字だけを見ると2019年度の水準に戻ったように見えますが、それは前半4年だけの話です。残り6年は8.3円なので、10年を通した合計では従前より低い水準にとどまります。買取期間が一貫して10年である点は、制度開始から変わっていません。

  • 2012年度 42円 → 2015年度 33円 → 2019年度 24円 → 2022年度 17円 → 2025年度上半期 15円
  • 2025年10月以降と2026年度は、前半4年 24円 / 5〜10年目 8.3円 の二段階
  • 調達期間は制度開始から一貫して10年間
注意点
  • 2015〜2019年度には、出力制御機器の設置が義務づけられる地域向けに高い価格が別に設定されていた(2015年度は33円に対し35円など)
  • ここでの価格は、その年度に新しく認定を受ける場合の値。認定済みの設備は認定時の価格が買取期間のあいだ続く

2026年度の売電価格とFIT制度の詳細を見る

出典: 資源エネルギー庁「過去の買取価格・期間等(2012年度〜2025年度)」出典: 資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」

事業用はもっと急だった — 40円から9円台へ

事業用(10kW以上)の下落はさらに急です。2012年度は40円+税で、しかも調達期間が20年ありました。この条件が「土地付き分譲」「野立て太陽光」と呼ばれた投資ブームを生みます。

その後、2016年度に24円+税、2019年度に14円+税(10kW以上500kW未満)、2022年度に11円(10〜50kW)と下がり続けました。2026年度は10kW以上50kW未満の地上設置が9.9円、50kW以上の地上設置が9.6円です。

14年で40円台から9円台へ。同じ「太陽光発電」という言葉で語られていても、2012年当時と現在では事業の前提がまったく違います。

出典: 資源エネルギー庁「過去の買取価格・期間等(2012年度〜2025年度)」出典: 資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」

制度が「投資」を終わらせた4つの段階

価格が下がっただけではありません。制度そのものが、全量を売って稼ぐモデルを段階的に閉じてきました。公式の価格表からたどると、次の順序で進んでいます。

  1. 1
    2012年度 — ブームの条件が揃う

    10kW以上が40円+税・調達期間20年。この条件が土地付き分譲や野立て太陽光への投資を呼び込みました。

  2. 2
    2019年度以降 — 入札の対象が広がる

    入札制度の対象が段階的に拡大し、500kW以上から250kW以上へと下りてきました。

  3. 3
    2020年度 — 全量売電の新規認定が事実上できなくなる

    10kW以上50kW未満に自家消費型の地域活用要件が設定され、全量を売る前提の新規認定が事実上できなくなりました。

  4. 4
    2027年度以降 — 地上設置が支援対象から外れる

    事業用太陽光のうち地上設置は、FIT・FIPの新規認定の対象となりません(2026年度の落札案件を除く)。

注意点
  • 新規認定の対象外になるという意味であり、すでに認定を受けている設備の買取がなくなるわけではない

出典: 資源エネルギー庁「過去の買取価格・期間等(2012年度〜2025年度)」出典: 資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」

では、いま太陽光を載せる意味は何か

制度の重心は、地上から屋根へ、売電から自家消費へ移りました。2026年度の住宅用が前半4年を24円と厚くしているのも、屋根に載せる導入を進めるための設計です。

つまり「太陽光投資は今から儲かるか」という問いに対しては、制度の側がすでに答えを出しています。地上に並べて全量を売るモデルは、2027年度以降そもそも新規の支援対象ではありません。一方で、屋根に載せて自分で使うモデルには支援が集まっています。

投資商品としての太陽光と、電気代を下げるための設備としての太陽光は、同じ機器を使っていても制度上の扱いが別物になった、と考えるのが実態に近いです。

太陽光発電の仕組みと基本を見る

出典: 資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」

2012〜2016年度に設置した人は、満了後の落差が大きい

2012年度から2016年度に住宅用を設置した層は、42円から31円という、いまでは考えられない単価で売電してきました。買取期間は10年なので、これらの設備は順次満了を迎えています。

満了すると制度にもとづく固定価格での買取は終わります。単価が高かった人ほど、満了の前後で受け取る金額の落差は大きくなります。その分、発電した電気を売るのではなく貯めて自分で使う方向に切り替える価値も大きくなります。

満了後の買取条件は小売電気事業者ごとに異なり、制度で決まる固定値がありません。このページでは具体的な金額を挙げないので、満了が近づいたら各社の公表メニューを実際に比較してください。

蓄電池の仕組みと選び方を見る

出典: 資源エネルギー庁「過去の買取価格・期間等(2012年度〜2025年度)」

記事内の用語がわからないときは用語集(やさしい言葉とたとえで解説)をご覧ください。

よくある質問

Q. 太陽光の売電価格はいくらからいくらまで下がりましたか?
A. 住宅用(10kW未満)は2012年度の42円/kWhから2025年度上半期の15円/kWhまで、およそ3分の1に下がりました。2025年10月以降は前半4年24円/5年目以降8.3円の二段階になっています。事業用(10kW以上)は2012年度の40円+税から、2026年度は地上設置で9.6〜9.9円です。
Q. いま太陽光投資を始めても儲かりますか?
A. 地上設置の事業用太陽光は、2027年度以降そもそもFIT・FIPの新規認定の対象になりません(2026年度の落札案件を除く)。制度としては全量売電型の新規参入の道が閉じています。支援は屋根に載せて自家消費するモデルに集まっています。
Q. なぜ2012年ごろは太陽光投資が流行ったのですか?
A. 2012年度の事業用(10kW以上)は40円+税で、調達期間が20年ありました。高い単価が20年続く条件だったため、土地付き分譲や野立て太陽光への投資が広がりました。
Q. 買取期間が終わったらどうなりますか?
A. 住宅用の買取期間は10年です。満了すると制度にもとづく固定価格での買取は終わりますが、発電そのものは続きます。その後の買取条件は小売電気事業者ごとのメニューによるため、満了が近づいたら複数社を比較してください。
Q. 2025年10月に24円へ戻ったなら、条件は良くなったのですか?
A. 前半4年だけを見れば上がっていますが、5年目以降は8.3円なので、10年を通した合計では従前より低い水準です。前半を厚くして投資回収を早め、後半は貯めて使う方向へ促す設計になっています。

この記事の出典(いずれも確認日つき)

執筆: エネホ編集部 ・ 更新日 2026/09/08

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