省エネ設備更新

省エネルギー投資促進支援事業補助金
工場・ビルの省エネ設備更新で最大1億円

この記事でわかること

  • ・省エネ補助金の制度概要と管轄
  • ・対象設備と省エネ効果の目安
  • ・補助率・上限額(中小企業優遇あり)
  • ・省エネ計算の方法と申請の流れ
1億円
通常上限
15億円
大規模上限
1/2
中小企業補助率
1/3
通常補助率

省エネ補助金の概要

経済産業省が所管し、SII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が執行する補助金制度です。

省エネルギー投資促進支援事業は、工場やビル・店舗等で使用されるエネルギー消費量の大きい設備を、高効率な設備に更新する事業を支援する補助金です。日本のエネルギー消費の約6割を占める産業・業務部門の省エネルギーを推進する目的で実施されています。

補助の対象となるのは、既存の設備を省エネ性能の高い設備に「更新」する事業です。新規導入(既存設備がない状態での新設)は原則として対象外ですが、一部の制度では新規導入も対象になる場合があります。

審査では「省エネルギー効果の確実性」「費用対効果」「事業の実施体制」が重視されます。省エネ量を定量的に示した計算書と、導入前後の比較データが必要になるため、設備メーカーや省エネコンサルタントの協力を得ることを推奨します。

対象設備

省エネ補助金の主な対象設備と、期待される省エネ効果の目安です。

高効率空調設備

30〜50%削減

旧型の空調機器を最新の高効率エアコン・チラーに更新。インバータ制御による部分負荷効率の向上で、空調エネルギーを30〜50%削減できます。

LED照明

50〜70%削減

蛍光灯・水銀灯・HIDランプをLED照明に交換。照明電力を50〜70%削減でき、ランプ寿命も約4万時間と長寿命。調光制御との組み合わせでさらに省エネ効果が向上します。

高効率ボイラー

10〜20%削減

旧型ボイラーを潜熱回収型(エコノマイザー付き)の高効率ボイラーに更新。蒸気・温水の熱効率を改善し、燃料消費量を10〜20%削減します。

インバータ

20〜60%削減

モーター・ポンプ・ファンにインバータ(可変速駆動装置)を追加。負荷に応じた回転数制御により、モーター電力を20〜60%削減できます。

BEMS(ビルエネルギー管理システム)

5〜15%削減

ビル全体のエネルギーを見える化し、空調・照明・動力設備の最適制御を行うシステム。データに基づく運用改善で5〜15%の省エネ効果が見込めます。

高効率変圧器

30〜50%削減(損失分)

旧型の油入変圧器をトップランナー基準適合の高効率変圧器に更新。無負荷損(鉄損)を大幅に低減し、24時間稼働する変圧器の電力ロスを削減します。

補助率と上限額

企業規模や事業の種類によって補助率が異なります。

中小企業(通常)
補助率
1/2
上限額
1億円

中小企業基本法に定める中小企業者

大企業(通常)
補助率
1/3
上限額
1億円

資本金・従業員数が中小企業基準を超える事業者

大規模省エネ事業
補助率
1/3
上限額
15億円

省エネ量が特に大きい事業

連携省エネ事業
補助率
1/2
上限額
5億円

複数事業者が連携して実施する省エネ事業

省エネ計算の方法

補助金の申請に必要な省エネルギー量の算出方法です。

原油換算(kL)

省エネルギー量は「原油換算」で表します。電力1kWh = 0.000258kL、都市ガス1m3 = 0.001163kL、A重油1L = 0.000987kL として換算します。導入前後のエネルギー消費量の差が省エネ量です。

BEI(建築物省エネルギー性能表示)

ビルの省エネ性能を表す指標です。BEI = 設計一次エネルギー消費量 / 基準一次エネルギー消費量 で算出します。BEI が1.0未満であれば基準より省エネ、0.5以下でZEB Readyの水準です。

計算にあたっては、既存設備の稼働データ(電力使用量、ガス使用量等)を最低1年分用意し、新設備のカタログ値や実績データと比較して省エネ量を算出します。計算根拠の明確さが審査のポイントになるため、メーカーの技術資料やシミュレーションデータを添付することが望ましいです。

申請の流れ

公募から補助金交付までの標準的なスケジュールです。

1

公募開始・申請準備

4月〜5月頃

公募要領の確認、省エネ診断の実施、事業計画書・省エネ計算書の作成。省エネ量の算出には専門知識が必要なため、コンサルタントや設備メーカーの協力を得ることを推奨します。

2

申請書提出・審査

5月〜6月頃

SII(環境共創イニシアチブ)のポータルサイトから電子申請。提出後、書類審査・ヒアリングが行われます。審査のポイントは省エネ効果の確実性と費用対効果です。

3

交付決定

7月〜8月頃

採択結果が通知され、交付決定通知書が発行されます。この時点から設備の発注・工事着工が可能になります。交付決定前の着工は補助対象外となるため厳守してください。

4

設備導入・工事

8月〜翌1月頃

設備の調達・設置工事を実施。工事中は写真撮影等による記録が必要です。設計変更が生じた場合は事前に承認を得る必要があります。

5

実績報告・補助金交付

翌1月〜3月頃

工事完了後、実績報告書を提出。検査を経て補助金が交付されます。導入後1〜3年間は省エネ効果の成果報告が求められる場合があります。

よくある質問

Q省エネ補助金と太陽光発電の補助金は併用できますか?
A

制度によって異なりますが、原則として同一設備に対する国の補助金の重複受給はできません。ただし、太陽光発電は太陽光の補助金、空調やLEDは省エネ補助金というように、異なる設備に対してそれぞれ別の補助金を申請することは可能です。自治体独自の補助金との併用も制度ごとに確認が必要です。

Q中小企業ですが、どのくらいの省エネ量が必要ですか?
A

申請要件として原油換算で一定量以上の省エネルギー効果が求められます。目安として、投資額1,000万円あたり原油換算1kL以上の省エネ効果が審査で評価されます。具体的な要件は公募要領で確認してください。

Qリース契約でも補助金は受けられますか?
A

リース契約の場合も補助金の対象となります。ただし、補助金はリース事業者が申請し、補助金相当額がリース料の低減に反映される仕組みです。リース事業者と事前に補助金活用の合意を得た上で申請してください。

Q省エネ診断は必須ですか?
A

補助金の申請自体に省エネ診断の義務はありませんが、省エネ量の算出や最適な設備選定のために省エネ診断を受けることを強く推奨します。省エネルギーセンター等が実施する無料省エネ診断を利用できる場合もあります。

Q申請から補助金交付までどのくらいかかりますか?
A

公募申請から補助金交付まで、概ね10〜12ヶ月程度です。4月頃に公募が開始され、翌年3月までに実績報告・補助金交付が完了するのが標準的なスケジュールです。年度内完了が原則のため、工事期間が長い場合は早期の申請が重要です。

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